1996年に登場した新しい型のエアライズは
シングルウォールテントよりも
軽量でコンパクトな仕上がりで登場しました
(詳しくは
をご参照下さい)。
シングルウォールのテントよりもフライシートがある分
だけ重くて嵩張る…。
そんなデメリットを抱えていたダブルウォールのテントはこの
エアライズシリーズの登場によって180度評価が
変わってしまいました。
今回は、ダブルウォールのテントは重い・嵩張る・初心者向け・・・
等の常識やイメージを払拭してしまった
ロングセラーを観察してみます。

アライテント エアライズ2 スカンジウム仕様 2人用 (SPフライ)グリーン

「超軽量」で「コンパクト収納」、「オールシーズン対応」で「初心者にも扱いやすい」等のアドバンテージが高く評価されて、山岳用テントで最も市場に出回ったテントとなりました。
その後も、軽量化へのマイナーチェンジや同社の「ゴアライズ」「カヤライズ」「タフライズ」と互換性を持たせたオプション商品を充実させてゆく戦略で約10年間ずっと人気のテントに君臨し続けます。
そして2006年、メインの素材に東レの新素材『FARRILLOファリーロ』を採用してさらなる軽量化に成功します。
設営方法もフレームスリーブに延ばしたフレームを差し込んで、グロメットにフレームの端をセット。一方向が袋とじのスリーブなので、4ヶ所のグロメットにフレームをセットしなくてすみます。
4ヶ所のグロメットにフレームをセットするということは、テントの四隅を行ったり来たりしなければならず、風などでテントがバタつく時などは、1ヵ所をセットすると別のグロメットがハズれたりして面倒なことが起こったりもします。
エアライズのグロメットは2ヶ所だけ。
いたってカンタンにテントは自立してしまいます。後はフライシートを被せて、ペグダウンすれば完了!
山岳用テントの中でもトップクラスの短時間設営が可能となっています。
オーソドックスでシンプル。だから造りにムダがない。
これは逆に言えば必要最小限の装備しかないということです。
ですから、エアライズは装備の不備を補うようにオプショングッズが充実しています。
例えば、DXフライシート。エアライズのノーマルフライシートは30Dnナイロンリップストップで、前室も最小限のスペースに抑えてあるため、とても軽量な造りになっています。
しかし、これでは荷物が多い時やツーリングなどには不向きです。そこでノーマルフライシートよりも前室をひとまわり大きくしたDXフライシートが後になって発売されました。
このDXフライシートは確かにファミリー用テントと比較してしまったら狭いのですが、軽量コンパクトテントの範疇では驚くほどワイドスペースに仕上がっています。
DXフライシート以外にも、テントの底を保護するグランドシートや冬用外張りなども発売されています。
嬉しいことに、これらのオプション製品は同社のラインナップである「ゴアライズ」「タフライズ」「カヤライズ」との共通スペックとして生産されているので、それぞれに互換性があるということです。
具体的に言うと冬用外張りはエアライズ・ゴアライズ・タフライズ・カヤライズ(カヤライズに外張り装着することはないと思いますが…)に共通で使えるワケです。
変わったバリエーションとしては、夏の暑さ対策でカヤライズの幕体だけを購入して、あとはフレームもフライシートも既存のものを使うってコトも可能なんです。
また、エアライズの優れているところとして、優秀な縫製があげられます。
エアライズは旧タイプで30Dn、新モデルで28Dnという超極薄の素材で造られています。ですから、縫製も細心の技術が要求されます。この極薄の素材を縫製するのに縫合部分にはリボンで補強がされています。この白いリボンが外部からかかる圧力や歪みや捩れの力を緩衝してくれています。
エアライズがこれほど極薄でありながらも、さまざまな遠征隊による過酷な状況下でも耐えられる要因の1つにもなっています。
これだけトータルバランスがとれたエアライズを外し、他のテントを購入する方の大部分はどんな理由なのでしょうか?最も大きな理由はドアパネルの位置がひっかかるようです。
エアライズは長方形の短い辺にドアパネルが設置されています。長い方の辺にドアパネルを設置すると出入りの際のスペースが大きくとれるばかりか、換気能力も向上します。
感覚的には開放感があり、窮屈なテント室内ではまったく気分が違ってきます。
ドアパネルの位置についてはここで書くと長くなりますので、詳しくは『失敗しないテント選び5』をご参照下さい。
もともとヘビーユース向けのコンセプトで造られたテントですので、ドアパネルの位置は短い辺にあって、ヘビーユーザーにはそれなりの使い勝手の良さがあります。
しかし、それがアンチエアライズ派を生む原因になっているようです。
次に、軽量の極薄の素材のベンチレーターは潰れてしまうことが多く、本来の換気能力が発揮できていないのもウィークポイントです。気にする方にはとっても大きな問題に感じてしまうようです。
あと、書籍や雑誌で叩かれているのが耐久性というか寿命です。
フィールドワークをかなりの日数で行っている方で書籍の一部に「エアライズは寿命が短い・・・」みたいな文章を書かれてました。
たまたま上越のフィールドでご一緒させていただいたのですが、けっこうゾンザイな取り扱いをされておりました。具体的にどんな扱いかは誹謗っぽくなるので記述しませんけど、もっと大事に扱えばエアライズもそうとうな年数使えると感じました。
本当は取り扱いだけではなく、その方に限って言えば長期間、直射日光のもとでテントを張っておられたので、紫外線による劣化も原因していたのだと考えられます。
しっかりとしたメンテナンスさえすれば私の経験でもエアライズは長持ちするテントと言い切れます。
こんな方におススメできます!
◎人力移動を前提として荷物を減らしたい方
◎出入口が短辺にあってもかまわない方
◎オールシーズン使いたい方
◎初心者の方


